工業化学雑誌
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フルオルベンゼンジアゾニウム塩を用いる反応性染色法
松井 弘次大田黒 国彦早川 洋典
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1964 年 67 巻 1 号 p. 94-97

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抄録

ジアゾニウム基を活性化原子団とする反応性芳香族フッ素化合物を用いてセルロース繊維の反応性染色を行なった。
木綿布をp-フルオルアニリンあるいは4-フルオル-1-ナフチルアミンのジアゾ化により得られるジアゾニウム塩溶液,ついで炭酸ナトリウム水溶液に浸漬,絞り15~40℃に1~2分間放置加温した。このように処理した木綿布はR-,G-,H-,J-,γ-,アセチル-H-,アセチル-J-,アセチル-γ-,フェニル-J-,フェニル-γ-,NW酸やその他のアゾ成分のアルカリ性水溶液に浸漬することにより洗タクに堅ロウに反応性染色された。
この染色工程を式示するとつぎのごとくなる。
(CellOH=セルロース繊維,A=アゾ成分)
色調はジアゾ成分,アゾ成分の組み合せにより,黄~だいだい~赤~茶~紫~青にわたり,繊維-色素間の結合は堅ロウで染色布は酸,アルカリ溶液による煮沸試験,ピリジンを溶媒とする抽出試験に耐えた。

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