工業化学雑誌
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ポリグリコリドの分子および結晶構造
広野 浩由和才 剛三枝 武夫吉川 淳二
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1964 年 67 巻 4 号 p. 604-607

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抄録

グリコリドは水銀,三フッ化アンチモン等の触媒系で重合することはすでに知られている。著者らは新たに,グリコリドの重合において,AlEt3やAl(Oi-Pr)3のような有機金属触媒でも重合することを見出した。得られた重合体は高い結晶性を示し, 窒素雰囲気中で融解し, 延伸試料を作ることに成功した。X 線解折の結果, 主鎖に沿う反復周期は7.04Åであり, 分子構造は2 個のモノマー単位が平面ジグザグに伸びた距離と一致する。格子定数は,a=6.36Å,b=5.13Å,c=7.04Åおよびγ=90°で斜方晶系に属す。測定された密度は,1.605g/cm3であるので格子の中に含まれるモノマー単位の数は4 個であり, 消滅則より対応できる空間群はD42-P212121であることがわかった。

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