1965 年 68 巻 10 号 p. 1963-1966
p-ジオキセン(PD),無水マレイン酸(MAnh)およびアクリル酸β-クロルエチル(CEA)のラジカル三元共重合を行なった。三元共重合体のPD,MAnhの組成比は仕込モノマー組成比に無関係に1:1であることおよびCEAがかなりの量入ることがわかった。
前報のアクリロニトリル(AN)を含む三元共重合と同じ結果を得た。PD-MAnhの錯合体とCEAとの二元共重合の取り扱いで共重合反応性比はつぎのとおり求まった。γ1K(complex)=2.3±0.5γ2/K(CEA)=0.48±0.05
ここでKは錯合体生成の平衡定数である。以上の結果からPDとMAnhの交互生長段階がモノマー状態で錯合体を生成しその錯合体が重合に関与することおび錯合体の性質について考察した。CEAとMAnhおよびCEAとMAnhの二元共重合も行なった結果つぎの共重合反応性比を得た。
CEA-MAnh共重合γ1(CEA)=6.2±0.5γ1(MAnh)=0.03±0.5
CEA-PD共重合γ1(CEA)=12.9±1.0γ2(PD)=0.0±0.1
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