工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
電子写真用酸化チタン感光紙
野崎 弘粕谷 敬子
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 68 巻 2 号 p. 269-272

詳細
抄録

ルチル型TiO2と適当な樹脂を組合せることによって電子写真用感光紙をうることができた。現在までの本研究では,樹脂としてポリエステル樹脂が比較的良好な結果を与えた。感光紙を帯電させその暗減衰曲線と光減衰曲線を求めた。それらの曲線を解析して,その特性値としてψ1およびψ2を提案した。ψ1は露光によって消失する電位,ψ2は十分なる露光で残留する静電位である。感光紙に用いる基板,樹脂,色素添加がψ12にどのように影響するかを実験的に求めた。実験結果からψ1は感光膜の表面数ミクロンの処に発生して,光をうけて電子写真的変化を起さしめるに役立つ電位である。ψ2は電子写真的には役立たず,感光面の両面に分極的に発生する電位であるとした。また色素添加が感度だけでなく,電子写真的帯電,すなわち画質に影響をおよぼすものとした。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top