工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
洗剤中の無機硫酸根の定量法
谷森 修平阿部 要戸張 真臣
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 68 巻 2 号 p. 273-275

詳細
抄録

硫酸根の定量方法としてEDTA法は簡便ですぐれた方法であるが,共存するリン酸塩,ケイ酸塩,ホウ酸塩の妨害を受ける。しかるに市販洗剤は無機成分として硫酸ナトリウム以外に,トリポリリン酸ナトリウム,ケイ酸ナトリウムを通常含有し,更にホウ酸塩の含まれる場合もある。そこでかかる妨害物質を除去し,従来のEDTA法で洗剤の硫酸根の定量を可能とする方法を検討した。すなわち,洗剤無機成分を硝酸処理(トリポリリン酸,ピロリン酸イオンをリン酸イオンに分解)後,中和し,硝酸銀処理により妨害イオンを銀塩として沈殿除去,しかる後EDTAにより硫酸根を定量する方法を検討した。ただしホウ酸銀は溶解度が硫酸銀よりも大なるため,ホウ酸塩が大量に存在する場合は,その除去が必要である。
実験精度はリン酸塩,ケイ酸塩共存下で試料標準偏差0.3%であった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top