1965 年 68 巻 2 号 p. 276-279
洗剤中には有機成分として通常,アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキルサルフェートのナトリウム,カリウム,アンモニウム塩,時にはエタノールアミン塩等が単独,または併用されて用いられているので,洗剤の組成を知るためにはカチオン相互の定量が必要となる。この定量方法として洗剤有機成分をカチオン交換し,吸着されたカチナンを塩酸で溶離してそれぞれの塩化物とし,X線回折,赤外吸収スペクトルを併用することにより比較的容易に定性,定量し得る方法を検討した。カチオン交換は,有機成分の分離定量に用いられるカチオン交換樹脂部をそのまま用いることができる。
精度はやや悪いが日常分析に十分使用し得る。なおカチオンのサンプル量としては70mg程度でよい。
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