工業化学雑誌
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p-フェニレンジカルベンの反応性および重合反応への応用
守谷 一郎永井 利一城田 靖彦
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1965 年 68 巻 2 号 p. 296-299

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抄録

p-フェニレンジカルベンの重合反応への応用とともに, その反応性について検討した。p-キシレンテトラブロミドに, 2 当量のメチルリシウムを作用しα脱離反応をおこなうと, トランス- テレフタリリデンポリマーが生成した。カルベン 源として,1,4-ビスジアゾメチルベンゼンの光分解による方法を用いると,この場合生成するカルベンは,溶媒により挙動が異なることが明らかになった。ジエチルエーテル,THFを溶媒に用いた時には,生成したジカルベン中間体は溶媒から水素を引きぬいて重合するが,ベンゼンを溶媒に用いた時は,水素引き抜き反応はおこらないで,α脱離反応の場合と同様なトランステレフタリリデン型ポリマーが生成した。

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