工業化学雑誌
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塩化チタン(III)-ビスシクロペンタジエニルジメチルチタニウム系触媒によるプロピレンの重合
東 敬一四方 和夫大庭 誠一郎西野 耕治松村 敏勝
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1965 年 68 巻 2 号 p. 347-352

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抄録

塩化チタン(III)とビスシクロペンタジェニルジメチルチタニウム(BCMT)によりプロピレンは容易に重合して高分子量のポリプロピレンを与える。重合速度はプロピレン濃度に比例し,重合時間の経過とともに急激に減少する。また,重合速度はmol比BCMT/TiCl3に比例して増大するが,mol比0.8以上ではmol比の影響はみられなくなる。BCMTは高濃度の場合60℃ 以上の高温ではn-ヘプタン溶液中でメタンを発生して分解し濃緑色沈殿を与える。このBCMTの熱分解が本触媒の重合活性の持続性を悪くしているものであり,重合活性を回復させるためには触媒系に新しくBCMTまたは適当な他のアルキル金属化合物を加えることが必要である。この触媒系による生成ポリプロピレンはNatta触媒によるポリプロピレンとほぼ同程度の結晶性を有するものであった。

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