1965 年 68 巻 2 号 p. 352-358
塩化チタソ[III][I]-ビスシクロペンタジエニルジメチルチタニウム[II]系のプロピレン重合触媒作用を検討した結果,(1)Iとビスシクロペンタジエニルチタニウムでは,プロピレンは重合しない。(2)I-ビスシクロペンタジエニルジフェニルチタニウムを触媒としてえられるポリプロピレン中には,フェニル基が存在する。(3)IIはエーテル中Iと反応してピスシクロペンタジエニルチタニウムジクロリドを与える。(4)IIはエチレンと反応してプロピレンを与えるが,プロピレンからブテン類の生成はほとんどみられない。(5)I-II系において,過剰のIIを水素で分解したものには重合活性はあるが活性の持続性はない。以上のことからこの触媒系においては,三塩化チタン上のチタン-メチル結合が重合の開始反応に寄与していると考えられる。
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