工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
塩化チタン(III)-ビスシクロペンタジエニルジメチルチタニウム系の重合触媒作用
四方 和夫西野 耕治東 敬一
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 68 巻 2 号 p. 352-358

詳細
抄録

塩化チタソ[III][I]-ビスシクロペンタジエニルジメチルチタニウム[II]系のプロピレン重合触媒作用を検討した結果,(1)Iとビスシクロペンタジエニルチタニウムでは,プロピレンは重合しない。(2)I-ビスシクロペンタジエニルジフェニルチタニウムを触媒としてえられるポリプロピレン中には,フェニル基が存在する。(3)IIはエーテル中Iと反応してピスシクロペンタジエニルチタニウムジクロリドを与える。(4)IIはエチレンと反応してプロピレンを与えるが,プロピレンからブテン類の生成はほとんどみられない。(5)I-II系において,過剰のIIを水素で分解したものには重合活性はあるが活性の持続性はない。以上のことからこの触媒系においては,三塩化チタン上のチタン-メチル結合が重合の開始反応に寄与していると考えられる。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top