工業化学雑誌
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ポリアクリロニトリルとアルコールの付加反応
関 淳次
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1965 年 68 巻 2 号 p. 378-381

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抄録

ニトリルとアルコールの付加反応(Ritter反応)をポリアクリロニトリル(PAN)に適用した。反応溶媒としては,硝酸, 硫酸および過塩素酸を用い, アルコールとしては,t-ブタノールおよびイソプロパノールを検討した。硝酸はPAN の良溶媒であり,かつt-ブタノールを安定に溶解するので,反応溶媒として適当である。62%硝酸中0℃ でt-ブタノールの反応速度を調べた結果,ニトリル基の60%以上が反応すると,反応速度が低下することが明らかになった。また67.5%硝酸に冷時PANを溶解し,1~10wt.%のt-ブタノールを加えて反応させた後,湿式紡糸して製造した繊維は強度2.0~3.4g/d,伸度14~26%であり,反応率と共に,結晶化度は低下し,染色性は向上した。

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