工業化学雑誌
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脱塩化水素ポリ縮合によるポリイミドの合成
西崎 俊一郎不可 三晃
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1965 年 68 巻 2 号 p. 383-387

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抄録

ピロメリットイミド環を主鎖にもつポリマーの合成法として,ピロメリットジイミドとジハロゲン化物を第三アミンなど触媒存在下に縮合する新しい方法を試みた。ジハロゲン化物としてはエチレンジクロリド,ジクロルベンゼン,キシリレンジクロリド, ビス( クロルメチル) キシレン,p,p'-ビス(クロルメチル) ジフェニルエーテル, ビス(ハロゲノメチル) テトラメチルジシロキサンなど, 触媒としてトリエチルアミン(TEA),トリ-n-ブチルアミン(TBA),ピリジン,炭酸カリなどを用い,反応はDMA中,70~140℃で行なった。
芳香族ジクロリドはほとんど反応しないが,ベンジル誘導体,クロルメチル化ケイ素化合物は50~80%の収率で,ポリイミドを得た。反応収率から触媒を比較するとTEA>TBA>ピリジン,K2CO3の順である。またピロメリットジイミドカリとの反応はジイミドの場合よりも収率よく,反応も早い。これらのポリイミドの確認はIRスペクトル, 元素分析で行なった。シロキサンを含むポリイミドはDMA可溶で,還元粘度0.2~0.3(0.5%DMF,25℃)で,mp115°~130℃であった。含ケイ素以外のポリイミドはいずれもDMA不溶であった。

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