工業化学雑誌
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ハロゲン化アルキルと極性非プロトン溶媒との相互作用
米田 茂夫森島 績福井 謙一吉田 善一
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1965 年 68 巻 6 号 p. 1074-1076

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抄録

有機ハロゲン化合物とチオシアン酸カリウムとの反応において,N,N-ジアルキルアミド,ジアルキルスルホキシドを溶媒に用いると反応が円滑に進行する。これは上記溶媒が有機ハロゲン化合物とイオン性中間体を形成し, これがチオシアン酸アニオンとすみやかに反応するためであると考えられる。このような観点に立ち,各種有機溶媒を用いたハロゲン化アルキル溶液の電気伝導度を測定した結果,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等は他の溶媒にくらべてはるかにハロゲン化アルキルとイオン性物質を形成し易いことを認めた。この事は有機ハロゲン化合物とチオシアン酸カリウムとの反応について前報で推論した反応経路の妥当なことを示唆するものである。

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