工業化学雑誌
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ポリアセチレンの構造と反応性
東浦 浩大岩 正芳
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1966 年 69 巻 1 号 p. 109-114

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抄録

アセチレンをAlEt2Br - TiCl4 (I) , AlEt3 - TiCl4 (II) またはAlEt3 - Ti(OBu)4 (III) を触媒として重合させ, 得られたポリアセチレンの自動酸化,臭素化および無水マレイン酸(MA)との反応を行なった。ポリアセチレンとMAの反応は赤外吸収スペクトルからDiels - Alder 反応でないことが推定された。I またはII を用いAl / Ti 比が10 以下の条件で得 たポリアセチレン(X線分析において2θ=16~18°の回折が強く,結晶性が低い)とO2,Br2およびMAとの最高反応率はアセチレン単位1 mol 当りそれぞれ0.29, 0.26, 0.28 mol であったが, III を用いるか, II を用いてAl / Ti 比が17程度に高い時に得られるポリアセチレン(2θ=23~24°の回折が強く,結晶性が高い)では最高反応率はそれぞれ0.37,0.61,0.56と高い。反応率と結晶性の関係などから前者のポリアセチレン中には後者より多くの架橋構造が含まれていることを考察した。

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