工業化学雑誌
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メチルアセチレンの重合
河合 和三郎
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1966 年 69 巻 10 号 p. 1994-1996

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抄録

Ziegler-Natta 触媒によるアセチレンの重合はNattaにより行なわれているが, 本報ではメチルアセチレンをNatta触媒( トリエチルアルミニウムと塩化チタン(III))で重合させたところ,橙色の無定形ポリマーと黒色のいくらか結晶性の認められるポリマーを得た。前者のポリマーは塩化チタン(III)量の少ない場合に得られ,後者のポリマーは塩化チタン(III)量を増すことによって得られた。このことから2種類のポリマーの生成の原因は塩化チタン(III)量によって支配されると考えられた。さらに橙色ポリマーは酸化され易く経時的変化を伴い,赤外吸収スペクトル,元素分析値から確かめられた。黒色ポリマーはこれに反し,幾分酸化を受けているが,かなり安定なポリマーであった。

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