工業化学雑誌
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塩化チタン( I I I ) - エチルアルミニウムセスキクロリド- 第三成分触媒におけるエチルアルミニウムセスキクロリドと第三成分との反応
池上 裕夫久村 寛治町田 和夫
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1966 年 69 巻 10 号 p. 1997-2002

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抄録

第三成分(TC) として, ジ-n- ブチルエーテル(BE) あるいは, ピリジン(PY) を用いたエチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)三元触媒によるプロピレン重合において,TCの果たす役割を有機アルミニウム化合物とTCとの反応の面から研究した。
n - ヘプタン中でEASC とPY とを反応し, 分離した二液層のアルミニウム, 塩素, PY の分析を行なった。PY のほとんどが下液層にあり, 上液層のCl/Al はn-Bu2O / Al2Et3Cl3 モル比< 1 で1 . 5 以下, 同モル比> 1 で1.0 以下であった。これより,生成する有機アルミニウム化合物・PY コンプレックスは下液層に, 遊離の有機アルミニウム化合物は上液層にあること, EASCはPY により不均化し, 遊離のジエチルアルミニウムモノクロリド(DEA) を生成すること, さらに過剰のPY が加われば, このDEAはDEA・PYコンプレックスを生成する他に,一部は不均化して遊離のトリエチルアルミニウムを生成することが結論された。
これらの結論は,塩化チタン(III)と組み合わせた二液層の活性化能試験,種々の塩化チタン(III)-有機アルミニウム化合物触媒によるプロピレン重合実験によって確認された。

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