1966 年 69 巻 11 号 p. 2199-2205
グルタミン酸-γ-ベンジルエステル-N-カルボン酸無水物のD体とL体との共重合を,n-ヘキシルアミンを開始剤としてジメチルホルムアミド中,均一系で行なった。55%,87%のL組成モノマーのD,L-共重合においては重合初期に速度上昇が認められたが,ラセミモノマーの重合では測定時間内では,はっきりした速度上昇が認められなかった。生成ポリマーのトリフルオル酢酸中での旋光度測定,ジメチルホルムアミド中における旋光分散測定などの結果から,重合中にモノマーの不斉選択の起こることを確認した。また,重合中におけるモノマーの不斉選択,重合の加速現象と生成ポリマーのヘリックス含量,立体規則度との関連についても検討を加えた。
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