工業化学雑誌
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一酸化炭素とN-アシル置換アジリジンとのγ線共重合反応
鍵谷 勤成沢 静夫市田 泰三太田 尚宏福井 謙一
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1966 年 69 巻 11 号 p. 2220-2224

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抄録

一酸化炭素とN-アセチルエチレンイミン, あるいはN-ベンゾイルエチレンイミンのようなN - アシル置換アジリジンとのγ線共重合反応が室温において研究された。一酸化炭素とN-アシル置換アジリジンは60Coによるγ線の照射下によって共重合することが認められ,非晶性の褐色固体の共重合体が得られた。生成共重合体の構造は元素分析,X線回折および赤外線スペクトル等によって研究された。
一酸化炭素とN-アセチルエチレンイミンの共重合体は170~180℃ で溶融し, その組成比(mol) は約1 であった。またその構造はN-アセチルポリ-β-アラニンであると推定した。一酸化炭素とN-ベンゾイルエチレンイミンの共電合体は130~145℃ で溶融し,COとイミンのモル比は1以上であった。この共重合体の構造は一部アルデヒド置換体を含むN-ベンゾイルポリ-β-アラニンであった。
γ線照射による一酸化炭素とN-アシル置換アジリジンの共重合反応におけるエチレン添加の影響を調べた。CO-N-アセチルエチレンイミン- チレン系の場合には, 3 元共重合体が生成したが, CO-N-ベンゾイルエチレンイミン-エチレン系の場合には, ポリケトンとさきにのべたCOとN-ベンゾイルエチレンイミンとの共重合体のみが得られた。

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