工業化学雑誌
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凝縮気体用比熱計の試作
篠田 孝子阿竹 徹千原 秀昭益子 洋一郎関 集三
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1966 年 69 巻 9 号 p. 1619-1622

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抄録

常温で気体または液体の物質の固体領域および液体領域における比熱と,潜熱および蒸気圧の測定,ならびに融点の精密測定により物質の純度決定を目的とする断熱ネルンスト型熱量計を試作した。動作温度は液体ヘリウム領域より窒温までである。常用温度計としては,白金抵抗温度計およびゲルマニウム抵抗温度計を用い,国際温度目盛および熱力学温度目盛(<90°K)に準拠している。15°K以上における比熱測定値のばらつきは0.08%以内である。圧力測定は,U字管水銀圧力計と,標準尺により,誤差±0.02mmHgである。測定例として,一酸化炭素の比熱,転移点,転移熱,三重点,融解熱,蒸気圧の測定を固体・液体領域にわたって行ない,また本装置で決定した純度を他の方法による分析値と比較した。決定された定数は,次のとおりである。転移点61.570°K,圧力28.94mmHg,転移熱150.2cal/mol,三重点68.150°K,圧力116.03mmHg,融解熱200.3cal/molである。

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