工業化学雑誌
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断熱型比熱測定の自動化
長崎 誠三前園 明一岡本 寛市橋 正彦
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1966 年 69 巻 9 号 p. 1631-1635

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抄録

長崎-高木法の断熱型比熱測定の自動化について,この二,三年来,開発してきた新しい試みおよび改良について報告した。
(1)高温用カロリメーターと低温用カロリメーターの構造。
(2)断熱制御技術の改良。PID-SCR制御回路の採用により,試料とその外側の断熱容器間の温度差は,±0.005~0.01℃の範囲に制御できる。
(3)比熱の絶対値の測定。指定温度におけるネルンスト型の比熱測定の自動記録により,比熱の絶対値の較正ができる。
(4)精密な熱分析。断熱型の比熱測定と同時に,温度上昇曲線を精密に記録し,融点などの転移点の測定感度を~±0.01℃に高めることができる。
(5)微少熱量変化の測定。断熱型の比熱測定に付加して,差動熱量測定装置として,合金の析出エネルギー,再結晶エネルギーなどの微少な熱変化を自動記録することができる。

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