工業化学雑誌
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チーグラー型触媒によるノルボルネンの重合-ハロゲン添加の影響-
小林 四郎三枝 武夫古川 淳二
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1967 年 70 巻 3 号 p. 375-377

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抄録

ノルボルネンの重合については三形式の反応が知られている。すなわち,ビニレン型重合(a)と,開環してトランス二重結合ユニットとなる重合(b),および開環してシス二重結合となる重合(c)である。本研究ではチーグラー触媒系にハロゲンを添加したときの生成ポリマーの構造を,赤外吸収スペクトルおよびX線回折法によって調べた。(a)+(b)の混合型ポリマーを与える触媒系,すなわちAlEt3-TiCl4(2.5/1)にヨウ素を添加すると(b)の生成が抑制され,三成分系AlEt3-TiCl4-I2(2.5/1/1/~3)では,高結晶性のビニレン型ポリマー(a)のみとなる。一方,二成分系AlEt3-TiCl4(0.5~6/1)では(a)は起こらずに(b)+(c)が起こる。これらの触媒系のノルボルネン重合における挙動と,ブタジェンのシス-1,4-高重合触媒としての挙動を比較した。さらに,三成分系AlEt3-TiCl4-Br2および二成分系AlEt3-TiBr4についても検討した。

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