銅フィプロイン錯体の生成反応を種々のpH領域で検討した。フィブコィンはLiBrに溶解し,透析により,LiBrを除き調製した。この溶液を種々のpHで銅イオンと反応させた。溶液の変化は,pH滴定曲線,紫外可視スペクトル,粘度から検討した。pH8.5以下では,可視部700mμに吸収をもち,分子内錯体の生成が認められる。常温で放置すると,pH6.5から7.5付近でゲル化が起こるのが視察される。このゲルを30℃で乾燥して,X線回折,IRスペクトルから調べると,クロスβ構造であることが判った。pH8.5以上の溶液では可視部540mμに吸収をもってくる。これはCu←N結合に基づくものと考えられる,粘度は低下し,X線回折から,ランダム構造であることが明かになった。
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