工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
アセトアルデヒドとプロピレンの液相共酸化反応
大井 毅相 衛
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 73 巻 9 号 p. 1978-1981

詳細
抄録

アセトアルデヒドとの共酸化によるプロピレンの酸化反応を,加圧下(酸素分圧約5気圧),100℃付近の温度で行ない,この共酸化反応に対する反応温度,酸素分圧,濃度等の諸反応条件の影響を調べた。反応速度は反応温度の上昇,酸素分圧の増加につれ増加し,プロピレン濃度の増加につれ低下した。消費アセトアルデヒドに対するプロピレンオキシドの選択率は,100℃以上では温度および酸素分圧にはあまり影響されず,アセトアルデヒドに対するプロピレン濃度の増加につれ増加した。100℃,ベンゼン溶媒,酸素分圧5気圧,アセトアルデヒド濃度1mol/l,プロピレン濃度2.4mol/lでは,この選択率は55mol%に達した。消費プロピレンに対するプロピレンオキシドの選択率は,100℃では約90mol%であり,温度の上昇につれて減少する。一方,アセトアルデヒドから酸への選択率は,プロピレンオキシドの選択率および反応温度の上昇につれ減少し,酸素分圧の増加につれ増加した。最後に実験結果に基づき反応機構の検討を行なった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top