工業化学雑誌
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高周波ブラズマジェット中における n-ブタンの分解反応
西村 幸雄西村 真竹下 健次郎坂井 渡
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1970 年 73 巻 9 号 p. 1974-1977

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抄録

高周波アルゴンプラズマジェット中におけるn-ブタンの分解反応について検討した。主な生成物として,水素,アセチレン,エチレン,メタンおよびススが得られ,そのほかに,少量のエタン,プロパンおよびプロピレンが生成した。アルゴン流量1..5566±0.01l/min,プラズマ入力9.35±0.01kWの条件下において,n-ブタンの転化率はn-ブタンの供給量の増大とともに低下するが,生成物の組成は,n-ブタン供給量が70ml/min以上では,n-ブタン供給量にほとんど依存せず,このような条件下ではn-ブタンの平均の分解温度はほぼ一定であることがわかった。アルゴン流量が2.13l/minから0.86l/minに減少するにつれて転化率は60%から18%にほぼ直線的に低下する。また,アルゴン流量の減少にともなって,メタンとエチレンへの選択率が減少し,ススへの選択率が増大する傾向がみられた。入力の低下はまた転化率を低下させ,メタンおよびエチレンへの選択率を増大させることがわかった。プラズマジェット中に水素ガスを混入すると,転化率は水素混入量が100ml/min付近で極大値を示し,また,その流量付近でアセチレンへの選択率は極大値を示し,ススへの選択率は極小値を示した。

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