1970 年 73 巻 9 号 p. 1987-1989
テルル塩化物によるオレフィンの液相におけるアリル位塩素化反応について検討した。四塩化テルルとプロピレンの量論的反応では,1molの四塩化テルルが元素状テルルに還元される間に約2molの塩化アリルが生成した。四塩化テルルとトルエンとからは塩化ベンジルは生じないで, p-トリルテルルトリクロリドができる。このことは, 四塩化テルルによる塩素化がラジカル的なものでないことを示している。テルルは液相で酸素と塩化水素とによって四塩化テルルに酸化されるので,ベンゾニトリルを触媒とした場合,オレフィンの接触的塩素化を行なうことができた。塩素化における塩化第二銅の促進作用についても述べる。
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