工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
サリチル酸とホルムアルデヒドの縮合反応およびその生成物の物性
浅岡 忠知島崎 長一郎大城 靖男
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 74 巻 12 号 p. 2495-2499

詳細
抄録

サリチル酸 (SA) とホルムアルデヒド (F) との反応を硫酸触媒中にて行ない, 触媒濃度, 反応温度, モル比 F/SA などが生成物の分子量, 収率, 構造におよぼす影響について検討した。その結果, 一般に F/SAのモル比が増加するにつれて分子量が増大した。96% 硫酸では反応温度が上昇するにつれて, 収率は急減し, 同時に付加縮合反応よりスルホン化反応が優先し, 後者は F/SA のモル比が増大するにつれて抑制されることが判った。
初期生成物の構造化学的検討では 50% 硫酸, 120~130℃ の反応条件は 5,5'-メチレンジサリチル酸 (5,5'-MDA) を, 96% 硫酸 0~10℃ で反応させたものは 3,3'-MDA を生じることが, 5-プロムサリチル酸の縮合物と各 MDA の臭素化物との同定により確認された。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top