日本化學會誌
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分析化學に於ける基礎反應の研究(第二報)
金屬根と炭酸ソーダの反應
岡 好良
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1938 年 59 巻 12 号 p. 1385-1390

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抄録

(1) 硝子電極を使用して銅,銀,ベリリウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウム,亞鉛,カドミウム,アルミニウム,イツトリウム,第一セリウム,鉛,トリウム,クロム,ウラニル,第二鐵,コバルト,ニツケルの硝酸鹽を炭酸ソーダを以つて滴定した.
(2) 硝酸ランタン,硝酸第一セリウム,硝酸鉛を滴定した場合には正炭酸鹽を生じた.炭酸銀は一少部分分解する.
(3)硝酸ベリリウム,硝酸アルミニウム,硝酸クロム,硝酸第二鐵を滴定した場合には沈澱中に少量の炭酸根を見出すに過ぎない.この炭酸鹽もやがては加水分解し窮極に於ては水酸化物となると考へられる.硝酸ウラニルに於ては沈澱は強く解膠した.
(4) 銅,カドミウム,トリウム,コバルト,ニツケルの硝酸鹽を滴定した場合には炭酸鹽と水酸化物の混合物を生ずる.兩者の割合は一定の組成を有する鹽基性炭酸鹽の組成を示すものとは考へられない.加水分解途上の一階段を示すものである.但し同一條件の下に滴定した故炭酸鹽の加水分解の難易は知ることが出來る.
本實驗に當り終始御懇篤な御指導を賜つた東京工業大學教授永海先生に深甚の謝意を表し屡々有益な御助言を賜つた山村博士に厚く御禮申し上げる.

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