日本化學會誌
Online ISSN : 2185-0909
Print ISSN : 0369-4208
フルオレノンオキシムよりヘキサヒドロ-フルオレニルアミンの合成
ヘキサヒドロ-フルオレン誘導體の合成第四報
藤瀬 新一郎堀 一男松澤 甚壽
著者情報
ジャーナル フリー

1939 年 60 巻 1 号 p. 25-28

詳細
抄録

フルオレノン-オキシム(II)の接觸還元にとよりヘキサヒドロ-フルオレニルアミンとなる.醋酸鹽又は安息香醋鹽の分別再結晶により融點を異にする結晶となる.之をα, βと命名した.醋酸鹽の融點はα化合物142~143°, β化合物173~174°.安息酸鹽の融點は.α-化合物146~147°, β-化合物183°. (1)のα-アセチルー又はベンゾイル-化合物は各2種の結晶を得その内1種はβ-のアセチル又はベンゾイル化合物と同一物である.是等の事實及び第3報の結果より若しαが非常に分離し難き異性體混合物に非ずして純粹なものであれば, αとβはヘキサヒドロフルオレンの炭素9に結合したアミド基と水素とのシス,トランス異性體である.フルオレノンを還元してドデカヒドロ-フルオレン(C13H22)を得,對應するアルコホルは得られなかつた.

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top