日本化學會誌
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メタン-水蒸氣反應に依る一酸化炭素及び水素の生成(第六報)
ニツケル觸媒に對する炭酸加里の影響
堤 繁
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1939 年 60 巻 2 号 p. 191-198

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抄録

(1) Ni及びNi+l0%促進劑觸媒の7OO°に於ける水性ガス反應に對する活性度は6gのニッケルに對し0.2gの炭酸加里の添加に依り著しく増加せるに反し, 800°に於ける夫は一般的に減少せり.之が原因として炭酸加里と促進劑又はニツケルとの脱炭酸ガス的化學結合を考慮せり.
(2) Ni及びNi+10%促進劑觸媒のメタン-水蒸氣反應に對する活性度がニツケルに對する炭酸加里の添加量に依リ變化する,状況は必ずしもメタンの熱分解反應の場合の夫と一致せず,之が原因としてニツケルに對する炭酸加里の添加量に依るメタン-水蒸氣反應に於て最初生成せる炭素の水蒸氣に對する反應性の變化並びにメタンに對する水蒸氣の添加に依る觸媒表面の變化に依るものとせり.
(3) Ni, Ni+10% Al2O3及びNi+10%MgO觸媒のベンゼンの水素添加反應に對する活性度は少量の炭酸加里の添加に依り可なり抑制され,其程度は硝酸加里を使用せる場合と比較して大なる差違を認めざりき.

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