本報文は臺灣總督府天然瓦斯研究所に於て施行しつつある天然瓦斯利用に關する廣汎なる理論並に工業研究實驗の一部分の抄録である.詳細に關しては同所報告を參照されたい.本報文に於てはCH
4+H
2O→CO
2+H
2反應に就いて主として觸媒の性能に關係ある諸事項及水蒸氣量の影響について次の諸項を研究記述した.
1 本反應には觸媒が必要不可缺であり有効な觸媒を使用すれば反應は550~600°Cで完了する.
2 水蒸氣量の増加は分解率及炭酸瓦斯を増加するがH
2O/CH
4=7~10が好適である.
3 觸媒としてはニツケルが最良であるがこの單獨使用による活性の低下について數種の實驗を行ひこの現象が觸媒の半熔融によることを確めこれを妨止するためには助劑の添加が有効なるを認め,又助劑の添加量にも適量のあることを明かにした. Ni-Al
2O
3の場合には1:0.025モルが最良であつた.
4 少量のアルカリの添加は一見無害であるが長期の使用には不適當である.
5 擔體と觸媒の割合,觸媒の粒度,接觸時間と分解率との關係を檢した結果濃度10%粒度3~4mm接觸時間25~30秒で充分である.
6 觸媒の〓燒還元温度は著しく活性に影響する.優秀なる觸媒を得るには〓燒温度700°C以下還元温度300°C以下がよい.
7 上述の諸結果を綜合して得られたニツケル-アルミナ-カオリン系觸媒を用ひ150時間の連續實驗を行ひ良好な結果を得た.
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