日本化學會誌
Online ISSN : 2185-0909
Print ISSN : 0369-4208
澁黒温泉成因の化學的研究(第五報)
三浦 彦次郎
著者情報
ジャーナル フリー

1939 年 60 巻 6 号 p. 521-525

詳細
抄録

1) 昭和12年, 13年に採水せる湧泉の成分及び測定せる温度に就き時間的變化と場所による變化とを考察せる結果第三報にて得た結果と大體一致する事が認められた.
2) 昭和13年3月冬季に於ける状況を観察せる結果殺生澤及び務澤元堰東方方面に於けては著しく空噴を増加し噴泉の湧出量を減少した事が認られた.
3) 澁黒温泉地帯湧泉のCl′分布を比較するに大沸より高地には極めて少なく低地には多い事が認められた.その原因は澁黒温泉地帯にてはCl'はHCl瓦斯として噴出せずにHCl水溶液として湧出する為大沸より低地にはHCl水溶液を湧出するがより高地にはHCl水溶液よりその分壓に相當する丈の蒸氣しか噴出し得ないからCl′含有量少いものと考察した.

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top