著者は胡瓜南瓜花甘藍及び大豆モヤシのAscorbin酸オキシダーゼ力を有する蛋白質は共通的に燐含量に富み且つGlucosamin基を含有し同樣にVitellineも亦該酵素力を顯す事を知るが故にNucleotide樣の構造にあるならんとの推定を下し仍つてNuclein誘導體のAscorbin酸オキシダーゼ力を檢査せし結果は下の如し.
(1) 酵母胸腺及び膵臓Nuclein酸即ちTetranucleotideを鹽酸中に溶解し之を弱酸液より沈澱せるものはAscorbin酸オキシダーゼの作用を顯す.
(2) 酵母胸腺及び膵臟Nuclein酸を硫酸若くはNH
4OHを用ゐて100°Cにて1時間の加水分解せしものを中和してAscorbin酸オキシダーゼ作用を檢するに強大なり.
(3) Mononucleotideに屬するGuanyl酸は強大なるAscorbin酸オキシダーゼ作用を有し之をTetranucleotideのものと比較するに約3倍にあり.
(4) Mononucleotide4分子中のOH基はTetranucleotide1分子OHに比較して8:3にありて約3倍に近くAscorbin酸オキシダーゼ力の比較的數値とよく一致せり.
(5) Mononucleotideの銀鹽の有するAscorbin酸オキシダーゼ作用は之をMononucleotideのものに比較するに更に強力にて數十倍にあり.即ち銀イオンの存在によりて酵素力は甚しく増大するものなり.
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