日本化學會誌
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炭水化物及びの誘導體に對するハロゲン化水素の作用(第三報)
メチル澱粉及びメチル纎維素の脱メチルに就て
荒木 長次端 與之助
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1939 年 60 巻 9 号 p. 774-782

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抄録

メチル澱粉及びメチル纎維素に低温度にて高濃度臭化水素酸を約9日間作用せしめたる時は何れも脱メチルと共に加水分解してd-Glucoseを分離せり.而かもその傾向は兩者略々同様なるもメチル纎維素稍々容易なるが如し.尚脱メチル物質中にはd-Glucoseの外,一部Oligosaccharides又は重合體の混在せるを以てd-Glucoseの單離には更に之を稀薄酸にて加水分解を行ふ方可なるべし.以上の反應はメチル澱粉及びメチル纎維素に限らず,一般にAldoseを成分糖となせる多糖類のメチル誘導體より脱メチルと共に成分糖を單離せんとする目的に使用し得べし.

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