日本化學會誌
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炭水化物及びその誘導體に對するハロゲン化水素の作用(第四報)
糖類メチル誘導體の高濃度沃化水素酸による脱メチルに就て
荒木 長次端 與之助
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1939 年 60 巻 9 号 p. 783-791

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抄録

前三報は低温に於ける高濃度臭化水素酸による糖類メチル誘導體の脱メチル反應に就て報告せり.本研究は低温に於ける高濃度沃化水素酸による糖類メチル誘導體の脱メチル反應に就て行ひたり.高濃度臭化水素酸による時は脱メチルの略完了するに約9日を要したるに高濃度沃化水素酸にては僅に24時間にて略完全に脱メチル行はれ,その結果Aldoseのメチル誘導體は原糖となり, Aldoseを成分糖とせる重糖類及び多糖類のメチル誘導體は脱メチルと共に加水分解して成分糖となる. Ketoseのメチル誘導體は之は之に反しタール状物質に變化せり.又沃化水素酸による時は短時間内に脱メチルの完全に行はるるためなるか臭化水素酸に比し原糖又は成分糖の單離極めて容易なり.

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