日本化學會誌
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本邦産鑛物のX線による研究. I
所謂“繊維亞鉛鑛”
岩崎 岩次渡邊 得之助安藤 良一
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1940 年 61 巻 7 号 p. 719-725

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抄録

栃木縣足尾,青森縣湯の澤,宮城縣細倉,同縣大土森の諸鑛山産の繊維亞鉛鑛と言はれてゐる鑛物をX線によつてその結晶構造の上からしらべた結果はいづれも閃亞鉛鑛の結晶構造を有するものであつて,その格子常數は大體に於て大差なく, αo=5.39~5.41〓.である事がわかつた.細倉,大土森産の繊維状のものは繊維軸を[111]とする閃亞鉛鑛である事を知り得た.その結果から,所謂本邦産の繊維亞鉛鑛の多くはたゞその外觀を異にしてゐる閃亞鉛鑛なることを確め得た.

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