1940 年 61 巻 8 号 p. 827-834
靜的及び流入法を並用して,液態酸素の温度(-183°)に於ける一酸化窒素と酸素との極低壓反應を研究した.其の實驗の結果明にされた事は次の如くである.
1. -183°の低温に於て,壓10-3mmHg以下の極低壓に於ても一酸化窒素と酸素とは,水銀の存在し,且凝縮しつゝある硝子壁上に於て非常に急速な反應を起す.之は從來測定された壓範圍に於ける均一反應として求められる反應速度の1029倍も速い反應で均一反應としては説明出來ない.
2. 反應は2NO+O2=N2O4に從つて起る.
3. 反應生成物と考へられるN2O4は反應管の器壁上に於て反應を妨害する.
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