1940 年 61 巻 8 号 p. 839-843
先に小泉,千谷兩氏は稀薄なる重アルコール及び重水中に於けるスチロルの熱重合を研究した結果,溶媒とスチロルとの間には認め得べき重水素交換反應の起らざる事を發見した.依つて筆者は本實驗に於て更に高濃度の重アルコール中に於けるスチロルの熱重合を研究し,此の反應に依つて生成したるポリスチロル中のHは少くとも實驗誤差の範圍内に於てはDによりて交換されて居らぬ事を確めた.更に此の實驗に於てポリスチロル分子の構造に關して一つの新しい手掛りを得ることが出來た.
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