日本化學會誌
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亞セレン酸塩の分析化學的研究(第一部鉛:第一報)
亞セレン酸鉛の組成竝に重量分析法の適否
成井 芳男
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1941 年 62 巻 8 号 p. 764-769

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抄録

i) 亞セレン酸鉛は沈澱條件(生成時の液温,酸度及鹽類の存否等)により結晶形を著しく異にする.其組成上の相違は105°C竝に略分解温度(約500°C)に於て放出される結晶水の含有量を異にするためである.溶液の酸性及アンモニア性(酒石酸含有)比較的強い場合には後者のみを含み,中性乃至微弱酸性なる場合には兩者を含む.
ii) 105°C乾燥體中に含まれる結晶水は鉛量及沈澱條件により一定せず,又無水物(PbSeO3)は得難い.
iii) 溶解度及酸アルカリに對する作用を述べた.本化合物は重量法には適しない.

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