1942 年 63 巻 3 号 p. 260-262
著者1)はポリー,ヂ-及びモノヌクレオチードは共にアスコルビン酸オキシダーゼ作用を有する事を認め,且つ動植物より分離せる該酵素力ある蛋白質にもヌクレオチード構造を證明せり.酵素力の原因として分子中の不安定燐酸基を指摘し,ポリ-よりモノに移るとき又Ag及びCuイオンにより作用促進せられ最適pH5.8にあるがこれ等ヌクレオチードをpH7.2にて作用せばデヒドロゲナーゼとなりその作用Ag及びCuイオンにより阻止せられMgイオンにより促進せらる. Mgイオン效果は基質の差異なより差あるもコチマーゼ,ヌクレオチードと同様にグアニル酸より燐酸基を脱離せるものにもこれを缺くヴィタミンB1にも見出され,然も後者より得るチアゾール誘導體にも存するが故に該環中の窒素と副化合價による結合と見做される.これ等デヒドロゲナーゼのMg效果は基質の-CHO基あるものによく顯はれ,又チアゾール誘導體中構造を異にするに従つて基質に對する選擇性に差異あるを認めたり.同様にヌクレオチード型とチアゾール型とにより基質に對する選擇性に異にす.兩者は其構造中に-CH2OH基の存在により酵素作用増大せらる.
グアニル酸とグアノシンの酵素作用上基質の枸櫞酸,ガラクトース,マンノース,乳酸及アルコール間に選擇性に認めず.然れどチアゾールはこれと異り焦性葡萄酸に強く乳酸に弱く,ガラクトース強くアルコールに弱し.又ヌクレオチード型3種にはカロチンオキシダーゼ作用を認めず.
グアニル酸の酵素作用は醋酸に比し酪酸,ヴァレリアン酸にありて強く,一價アルコール酸に變化するとき減少し又六炭糖の糖酸となるときも亦著しく減少す.
グアニル酸の酵素作用は琥珀酸林檎酸,プロピオン酸の乳酸となるにより-CHOHが-CH2に代りて増進せらるゝも林檎酸の酒石酸となり減少するが故に-CH2に隣接の-CHOHに増進せしむべし.又グリオキシル酸のウロン酸となりて却つて減少するを認む.グリココールと醋酸との間には差異を認め難〓
この記事は最新の被引用情報を取得できません。