1943 年 64 巻 3 号 p. 257-262
エチレン及びプロピレンが常温に於てニッケル及び白金黒等の接觸作用によつて重合すると云ふFarkasの叙述は,正しくない.ニッケルは珪藻土に附着せしめて初めて重合促進作用を示すのであつて,この際重要な働きをしてゐるものはニッケルよりも寧ろ珪藻土である.即ち珪藻土のみでも徐々に重合反應を惹起せしめるのみならず,酸化ニッケルを附けた珪藻土は,ニッケル單獨の場合よりも却つて大きな重合促進作用を持つてゐるのである.
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