日本化學會誌
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麥芽根の核酸の研究I
材料,調整法及び精製法に就て
高杉 直幹
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1943 年 64 巻 6 号 p. 869-872

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抄録

植物性ヌクレイン酸特に穀類の胚芽中に含有せられたるヌクレイン酸の研究は古く小麥の胚芽の其れに關し多くの人により行はれて來た.著者は胚芽のみならず其れが發芽し同時に生ずる幼根中にも亦ヌクレイン酸の含有さるゝを豫想し麥酒釀造の原料たる大麥の麥芽製造に際し副産物として得らるゝ麥芽根よりヌクレイン酸を抽出し之が化學的性質並に其の組成は如何なるものかを究めんと本研究を始めたるものなり.本報は其の調製法及び精製法を述べ得たる試料の分析結果を擧げる.即ちC=36.12%, H=3.94%, N=17.11% P=8.96%なるものを得たり.又之が呈色反應試驗及び其の吸收スペクトル測定の結果共にヌクレイン酸特有の性質を有するを知れり.

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