1957 年 78 巻 8 号 p. 1182-1185
銅に対する酸化マンガンの助触媒作用をエタノールの脱水素反応について検討した。まず酸化マンガンを増加するにつれ活性の時間的低下の少なくなることに着目して,銅マンガン触媒の活性低下を定量的に検討した結果速度定数の対数と時間の間に直線的関係が存在し,その傾斜が銅の結晶のシンターリングの速度定数をあらわすことを見出した。そして酸化マンガンが増加するほどシンターリングの速度定数は小さくなり,活性は低下しにくくなることを知った。また触媒の活性も銅の重量あたりになおして計算してみると,酸化マンガンの広い添加量の範囲にわたって変化が少なく,銅と酸化マンガンの間にシンターリングの防止以外本質的な変化は少ないことがわか.った。
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