1959 年 80 巻 8 号 p. 821-823
種々の塩の存在下におけるイオン牲界面活性剤の導電率を測定し,それらの塩の活性剤の導電率曲線に対する影響をしらべた。その結果添加塩のイオンと活性剤の対イオンの問にイオン交換がおこり,それが大きな影響を及ぼすことが明らかにされた。すなわち塩化リチウム,塩化ナトリウムわよび塩化カリウム存在下のドデシル硫酸エステルナトリウムの見掛けの導電率は,塩化リチウム存在下で最大となり,塩化カリウム存在ドでは最小となるが,この現象は活性剤の対イオンであるナトリウムイオンと添加塩のリチウムあるいはカリウムイオンとの問にイオン交換がおこり,活性剤ミセルと結合していたナトリウムイオンが一部遊離され同時にリチウムあるいはカリウムィオンが固定されるので,それにもとつく導電率の差額が寄与するためとして合理的に説明された。陽イオン性活性剤の臭化ドデシルビリドニウムに塩を添加したときの見掛けの導電率変化も同様に解釈された。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。