1959 年 80 巻 8 号 p. 856-859
温泉活動を地球化学的輪廻の一環としてみる場合,温泉における化学成分の分布,およびその起源は興味ある問題である。著持らは北海道の温泉67ヵ所,156泉源を対象として,泉温,pH,蒸発残留物,Na+,K+,Ca2+,Mg2+,(Fe2+Fe3+),Al3+,Mn2+,Cl-,HCO3-,CO32-,HSO4-,SO42-,HBO2,H2SiO3,CO2,H2Sについて定量を行ない,その分布相五問の関係を検討し,同時に,Br-,I-,Li+,Sr2+,Ge,Gaなどの微量戊分についても研究し,化学成分の起源,湧出機構を知る手掛りとした。本報以下,一連の報文で以上のことを願次報告するが,本報では試料の選1フ蔓,分析法,各成分の含縫ヒン度,地域による特徴,化学成分の起源についての考え方などについて述べ,今後の問題点を検討した。
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