日本化學雜誌
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γ-ブチロラクトン誘導体の研究(第5~7報) (第5報) α-ウレイドおよびα-チオウレイド誘導体について
須藤 六郎
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1959 年 80 巻 8 号 p. 924-926

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抄録

α-アミノ-γ-ブチロラクトン(以下ABLと略称する)塩にシアン酸ナトリウムを作用させると,α-ウレイド-γ-ブチロラクトン(I)が得られる。Iは一酸と煮沸すればβ-オキシエチルビダントイン(II)に転位する。遊離ABLとフェニルイソシアナートから生じるα-フェニルウレイド(VII)またはα-メチルチオウレイド-γ-ブチロラクトン(IV)は水と煮沸するだけで5-(β -オキシエチル)-3-フェニルヒダントイン(V)に転位する。ABLとフェニルチオイソシアナートまたはメチルチオイノシアナートから生じるα -フェニルチオウレイド(VIII)またはα-メチルチオウレイド-γ-ブチロラクトン(IX)は酸と煮沸しても相当するチオヒダントイン環に転位しない。これらのことから転位の機構を検討し,ならびにヒダントイン環,ラクトン環,チオヒダントイン環形成の難易を比較した。

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