1960 年 81 巻 2 号 p. 191-195
前報において磁気イオン間相互作用の構造化学的な検討手段について, CoCl2,・6H20, NiCl2 ・6H20 等の磁気的測定の結果とともに論じたが, 結晶中に水素結合の存在する場合がとくに注目されることを述べた。 本報では積極的に水素結合の存在する塩に着目して実験を行なった結果を述べる。 すなわち前記の CoCl2・6H20, および CuCl2・2H20 の重水置換塩, および K2CuCl4・2H20, (NH4), CuCl4・2H20, さらに CuSO4,・5H20 等について帯磁率の測定による反強磁性転移点の変化, 磁気比熱の精密な測定, ワイス定数の決定等を行ない, イオン間相互作用における水素結合の働きを論じた。
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