日本化學雜誌
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鳥取県三朝温泉の化学的研究(第3~4報) (第3報)鳥取県三朝温泉のマグネシウム含量の変化について
杉原 健
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1960 年 81 巻 2 号 p. 219-222

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抄録

鳥取県三朝温泉の源泉約30をえらび, 1952年5月から1年間, 毎月 1回以上採水し, マグネシウムの定量を行なった。その結果 30 源泉の平均含量は 2.42mg/l, 地下水の 2ヵ所の平均値は 3.92mg/l, 川の水は 1.35mg/l であった。 年平均最高含量は万翠楼の湯の 5.06mg/l,最低は永楽庵扇の湯の 1.41mg/l であった。マグネシウムは, 温泉源流の中心勢力付近と思われる源泉では Cl- 醒と同一の供給源以外から供給される割合が小さいが,周辺に向うにつれてその割合が多くなることが推定される。 すなわち, 三朝温泉の 30 の源泉の Mg2+/Cl- の値と, HCO3-/Cl- 値との問には, 正の相関が認められ, Cl- と同一の供給源以外から温泉水に入って来るマグネシウムは, 主として炭酸水素マグネシウムの形で混入するものと考えられる。 また 2~3 の源泉の湧出状態についても論じた。

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