日本化學雜誌
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難溶性塩の沈降容積(第5~6報) (第5報)硫酸バリウム,クロム酸バリウム, 硫酸鉛およびクロム酸鉛に対する共通イオンの影響
森本 哲雄
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1960 年 81 巻 2 号 p. 236-239

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抄録

硫酸バリウム,クロム酸バリウム, 硫酸鉛, クロム酸鉛の 4 種類の難溶牲塩の沈降容積に対する共通イオンの影響を検討した。硫酸バリウムに対しては陽イオンのバリウムィオンがペプチゼーション的に強く作用するが, クロム酸鉛に対しては陰イオンのクロム酸イオンがペプチゼーション的に強く作用する。ところがクロム酸バリウムおよび硫酸鉛にはいずれの共通イオンも強くは作用しない。難溶性塩の調製の際に反応試薬の一方を過剰に使用するという条件の差は沈降容積に対して本質的な影響の差とはならない。クロム酸鉛の沈降容積のクロム酸イオンによる極小は硫酸バリウムの沈降容積のバリウムイオンによる極小よりもずつと低濃度側にある。

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