1960 年 81 巻 2 号 p. 316-319
N-アシル-DL-アミノ酸はパパインの作用で不斉的に N-アシル-L-アミノ酸アニリドになるが, この合成速度を測定するのに比色法を用いた。すなわち, アニリンをジアゾ化し, シカゴ酸 (1-アミノ-8-ナフトール-2, 4-ジスルホン酸) とのカップリングによって生ずる赤色のアゾ色素を比色定量し, 未反応のアニリン量から, アニリド生成墨を間接的に求める方法を利用し, 5種の N-アシル-DL-メチオニン(アセチル-, n-ブチリル, n-カプロイル-, ベンゾイル-, カルボベンゾキシ誘導体) からそれらのアニリド合成速度を測定した。また, アニリド合成反応におよぼす pH および酵素量の影響についても検討した。実際に n-カプロイル -DL- メチオニンについて分割を行ない, 75% の収量で L-メチオニン ([α]〓=+23.0°, c=2,5N 塩酸), 66% の収量で D-メチオニン ([α]〓=-23.8°, c=2, 5N 塩酸)を得た。
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