1960 年 81 巻 5 号 p. 701-703
タバコ・モザイク・ウイルスの不均一な溶液について沈降, 拡散, 粘度測定を行ない, 通常予想される分裂体, 会合体などについて各理論分子定数を考察して, 沈降図形から存在成分および種類を知り, これにもとづいて不均一系の拡散の解析法を用いて, 成分濃度比を推定し, さらに固有粘度に加成性が成り立つと仮定して, 実験値に妥当な成分の濃度割合を求めた。この結果を沈降測定の結果に照して, 一見矛盾した成分の濃度割合は Johnston-Ogston 効果を考慮することにより妥当な解釈が下されることを示した。さらにこれらの総合的解析から得られた分子定数により基本体の粒子量を求め妥当な値を得た。
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