1960 年 81 巻 5 号 p. 724-728
シス-ジカルボナト・ジアンミン・コバルト(III)酸カリウム (K [ Co (NH3)2(CO3)2]・H2O) を出発物質として, これに亜硝酸カリウムと酢酸の冷混合液を作用させ, 新たに別のジニトロ・カルボナト・ジアンミン・コバルト(III) 酸カリウム (K[Co(NH3)2・CO3(NO2)2]) の2種を合成した。さきに得たこの種の錯塩をα型とし, これらをβおよびγ型と区別するとき, 水溶液における吸収極大値は(α) 61.98, 88.50, 119.05; (β) 60.91, 85.71, 116.73; (γ) 61.98, 89.55, 118.58 (1013sec-1) を示した。また赤外吸収スペクトルではニトロ基に関する 830cm-1 付近の吸収帯がγ型では明らかな分裂を示した。O.5N-塩化ナトリウム水溶液で Dowex 1-X 10 Cl形からは β>α>γ の順で溶離した。
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